休暇が始まってから直ぐに今回の東日本大震災が起こったのだった。
何もせずにのんびりと休暇を過ごせたのは初めの3日間だけ。
そろそろ休暇後半に向けた旅行の企画をするために代理店にでも行こうか、と考えていた矢先に震災は勃発した訳だ。
それからの毎日は自宅で難民と化していた。
着の身着のままダウンジャケットに包まってリビングルームで寝ていた。
何時でも直ぐに飛び起きて逃げ出せるようにと考えていたからである。
あの3連発の地震が発生した時、私は必死に4段重ねのレコードキャビネットの揺れを押さえていた。いつもの地震ならそれが収まるまでほんのちょっと間で済むはずなのだが、今度ばかりは違っていた。
長い揺れの果てについには押さえ切れなくなり、私を撥ね飛ばしてキャビネットは倒壊した。
次の瞬間、これはヤバイと屋外に逃げ出したのは人生でも初めての経験であった。
数時間後戻って来て写したのがこの写真。
私の部屋には約3,000枚程のLPが投げ出されて散乱していた。
キャビネットの前に置いておいたFenderのPrincetonとR.A.T.、Gibsonの茶色いギターケース、そして素焼きの花瓶と活けておいた花などがレコードに埋もれている様子が分かる。
写真には写っていないが、この奥にある机にはiMacが倒れずに立っていたが、その側にはSE/30、Quadora700、PM8500が投げ出されていた。
私の住む市は福島原発からは約60km離れた内陸のため、津波の被害に遭った訳でもなく、強制避難させられる訳でもなく、この程度の被害で済んだ事が幸いとも言えるのだが、2週間経った今でも一向に余震と原発危機の恐怖からは逃れられない。
そうこうしている休暇も終り、いつものように会社へ通勤する毎日が始まった訳だが、この結末はいったい何処へ向かっているのだろうか。
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気仙沼に住むSが気掛かりであったが、某避難所のリストに載っていたのを見つけて若干安心した。
そのリストでは彼の家族については分からないのではあるが・・・
Friday, March 25, 2011
Monday, February 7, 2011
Gary Mooreを偲ぶ
Gary Mooreの訃報に接したのは、昼食を摂っていた焼肉屋さんのカウンターでだった。
いつもの通り食事が出て来るまでの暇つぶしとして、iPhoneでネットをブラウジングする際によく訪れる海外の音楽サイトのトップページに、それは記されていた。
今年の1月の4日にAvril Lavigneがスノーボードの最中に立木に激突して死んだという嘘で騙された事があったので、念のためにと引き続きGaryのオフィシャルホームページを訪ねてみた。
そこは既に全面黒地に白抜きで彼の死を伝えているのだった。
死因については記されていなかった。
会社からの帰り道、iPnoneに入っている彼の曲を聴いていた。
"Sunset"に続いて"Parisienne Walkways"が流れた時、不覚にも何故か知らず涙を零してしまったので、誰にも悟られないようするのが癪だった。
Gary Mooreは昔から好きで聴いていた訳ではない。
かつていつも行っていたレコード店で突然掛かった曲の演奏者が誰かを尋ねると、その店の店長は壁に貼ってあった彼のポスターを指さしながら、「ゲイリー・ムーア」と教えてくれた。
その時は彼のレコードを買う訳でもなくそのままになっていたのだが、その後20年過ぎてから突然その時の曲が何だったのか知りたくなり、彼のCDを買い始めた。
それは50を過ぎてLes Paulを手に入れ、三たびギターを弾き始めたことと無関係ではなかった。
当然ブルース好きの私としては、ブルース転向後の"Still Got The Blues"辺りから聴き始める訳で、ハードロックは好きではなかった人間としては回り道をしてようやく"Wild Frontier"の中の"The Loner"に行き当たる。
あ、この曲だったんだ、とは思ったものの、残念ながら既に20年前に受けた曲のイメージとは結構ズレてしまっていた。
聴き手の感覚が歳を追うごとに変わって来ていたということなのだろう。
私は数少ない大人のロッカーとしての彼が好きで、中でもブルース系の曲は今でも聴いている。
ただ残念ながら彼の演奏はブルースとしては弾き過ぎだと思っている。
激情のままにガーッと弾きまくってしまうよりも、感情を抑えて、抑えて、抑えきれなくなって爆発するような、もっと大人の枯れた演奏が欲しいと思っていた。
それはこれからでも決して遅くはなく、また多くのブルースマンに倣って爺になってもずっとブルースを志向して欲しいと思っていたのだった。
合掌。
いつもの通り食事が出て来るまでの暇つぶしとして、iPhoneでネットをブラウジングする際によく訪れる海外の音楽サイトのトップページに、それは記されていた。
今年の1月の4日にAvril Lavigneがスノーボードの最中に立木に激突して死んだという嘘で騙された事があったので、念のためにと引き続きGaryのオフィシャルホームページを訪ねてみた。
そこは既に全面黒地に白抜きで彼の死を伝えているのだった。
死因については記されていなかった。
会社からの帰り道、iPnoneに入っている彼の曲を聴いていた。
"Sunset"に続いて"Parisienne Walkways"が流れた時、不覚にも何故か知らず涙を零してしまったので、誰にも悟られないようするのが癪だった。
Gary Mooreは昔から好きで聴いていた訳ではない。
かつていつも行っていたレコード店で突然掛かった曲の演奏者が誰かを尋ねると、その店の店長は壁に貼ってあった彼のポスターを指さしながら、「ゲイリー・ムーア」と教えてくれた。
その時は彼のレコードを買う訳でもなくそのままになっていたのだが、その後20年過ぎてから突然その時の曲が何だったのか知りたくなり、彼のCDを買い始めた。
それは50を過ぎてLes Paulを手に入れ、三たびギターを弾き始めたことと無関係ではなかった。
当然ブルース好きの私としては、ブルース転向後の"Still Got The Blues"辺りから聴き始める訳で、ハードロックは好きではなかった人間としては回り道をしてようやく"Wild Frontier"の中の"The Loner"に行き当たる。
あ、この曲だったんだ、とは思ったものの、残念ながら既に20年前に受けた曲のイメージとは結構ズレてしまっていた。
聴き手の感覚が歳を追うごとに変わって来ていたということなのだろう。
私は数少ない大人のロッカーとしての彼が好きで、中でもブルース系の曲は今でも聴いている。
ただ残念ながら彼の演奏はブルースとしては弾き過ぎだと思っている。
激情のままにガーッと弾きまくってしまうよりも、感情を抑えて、抑えて、抑えきれなくなって爆発するような、もっと大人の枯れた演奏が欲しいと思っていた。
それはこれからでも決して遅くはなく、また多くのブルースマンに倣って爺になってもずっとブルースを志向して欲しいと思っていたのだった。
合掌。
Wednesday, December 1, 2010
Annette Peacockは好きですか?
10月の頃だったろうか、Order Made ClubでAnnette Peacockの"I'm the One"のCD化を進めているという話を聞いて1票を投じてみたのは。
もしこれが実現すれば世界初CD化だという。
投票締め切りはこの12月31日だ。果たして世界初CD化は実現するものなのだろううか。
このアルバムがLPで発売になったのは1972年で、何気なくレコードショップで買い求め、聴いてみて衝撃を受けたのは今でも憶えている。
「すげ〜!」実にただこの一言だった。
私は基本的にはフォーク、ロック、ブルースファンだったのだが、偶にはジャズ喫茶に行って何となくジャズも聴いていた。
この"I'm the One"は、所謂メインストリームジャズとは全く違っていて、こういうジャズもあるのかと驚愕した訳だ。
最も70年代の初めは当時の言葉で言えばNew Jazzと言われたカテゴリーの時代であり、 Milesの"Bitches Brew"直後で、Return To Foreverや、Mahavishnu Orchestra、Weather Report等、次々と従来のジャズの概念にはないグループが現れた時代でもあった。
またこのアルバムではバックの演奏もさることながら、最も気に入ったのはAnnetteの表現力、その情念とエロスが迸るような彼女の歌唱だった。
その後ジャズ関連の雑誌等でAnnetteの事や、Annette Peacock=Paul Bley Synthesizer Showを調べたりして、既に発売されていた"Dual Unity"を買い求めたりしていたが、実質的にAnnetteの初リーダーアルバムとしての本作の方が一歩も二歩も先んじていて衝撃的だったと言える。
70年代後半、AnnetteはPaul Bleyと別れ、英国へと渡る。
残念ながらその後にリリースしたアルバムでこの"I'm the One"を超えるものはない。
<2011.03.31追記>
結局のところOrder Made Clubでの復刻は叶わなかったのであるが、2月の末にcdbabyで"I'm the One"の500枚限定のサイン及びシリアルナンバー入りCDがリリースされるような記事を見た。
入荷したらメールを送ってもらえるようにしておいたところ、この3月の初めにその知らせはやって来た。
そして漸くCDが到着したのは3月30日の事。
w/lv Annette Peacock といういつものサインと、シリアルNo.233が記されていた。
残念ながらジャケットデザインはオリジナルと同じではない。
ひょっとするとこの色彩がアメリカでのオリジナルだったのだろうか?
もしこれが実現すれば世界初CD化だという。
投票締め切りはこの12月31日だ。果たして世界初CD化は実現するものなのだろううか。
このアルバムがLPで発売になったのは1972年で、何気なくレコードショップで買い求め、聴いてみて衝撃を受けたのは今でも憶えている。
「すげ〜!」実にただこの一言だった。
私は基本的にはフォーク、ロック、ブルースファンだったのだが、偶にはジャズ喫茶に行って何となくジャズも聴いていた。
この"I'm the One"は、所謂メインストリームジャズとは全く違っていて、こういうジャズもあるのかと驚愕した訳だ。
最も70年代の初めは当時の言葉で言えばNew Jazzと言われたカテゴリーの時代であり、 Milesの"Bitches Brew"直後で、Return To Foreverや、Mahavishnu Orchestra、Weather Report等、次々と従来のジャズの概念にはないグループが現れた時代でもあった。
またこのアルバムではバックの演奏もさることながら、最も気に入ったのはAnnetteの表現力、その情念とエロスが迸るような彼女の歌唱だった。
その後ジャズ関連の雑誌等でAnnetteの事や、Annette Peacock=Paul Bley Synthesizer Showを調べたりして、既に発売されていた"Dual Unity"を買い求めたりしていたが、実質的にAnnetteの初リーダーアルバムとしての本作の方が一歩も二歩も先んじていて衝撃的だったと言える。
70年代後半、AnnetteはPaul Bleyと別れ、英国へと渡る。
残念ながらその後にリリースしたアルバムでこの"I'm the One"を超えるものはない。
<2011.03.31追記>
結局のところOrder Made Clubでの復刻は叶わなかったのであるが、2月の末にcdbabyで"I'm the One"の500枚限定のサイン及びシリアルナンバー入りCDがリリースされるような記事を見た。
入荷したらメールを送ってもらえるようにしておいたところ、この3月の初めにその知らせはやって来た。
そして漸くCDが到着したのは3月30日の事。
w/lv Annette Peacock といういつものサインと、シリアルNo.233が記されていた。
残念ながらジャケットデザインはオリジナルと同じではない。
ひょっとするとこの色彩がアメリカでのオリジナルだったのだろうか?
Sunday, November 28, 2010
Apple TVって
価格がそんなに高くもないのでApple TVを買ってみた。
iTunes Storeのレンタルビデオを利用したい訳ではない。
iPhoneやiPadに存在している写真をAir Playすることに興味を覚えたのだ。
実際にはiPadに写真を貯め込んでいる妻に使用させるつもり。
試しにやってみると操作上若干の不都合があるが、iPhoneやiPadで写真をスライドショーさせる際にAir Playの相手先をApple TVに指定してやるだけで、リビングルームの液晶TVに写真が次々と表示されるという具合だ。
付属のリモコンを使用するとTV側からApple TV、Homeネットワークを通じて、インターネット上のYouTubeやFlickerのコンテンツを利用したり、iTunes Storeからビデオの配信を受けたりできる。
また、自分のMacのiTunesにある全てのデータが利用できるようになっていて、操作はいたって簡単だ。
ただ、今のところiPhoneとiPad上のiPodから音楽がAir Playできないのが腑に落ちない。
iPhoneとiPadはAirMac Expressを通じてブリッジ接続してあるからかも知れないが、検証はしていない。
実際にはTV側からMac上のiTunesにアクセスしたほうが良いので問題はないのだが・・・。
画像に表示させているCDは、Eddie Higgins Quartet featuring Scott Hamilton、「煙が目にしみる」Smoke Gets In Your Eyes。
「テナー・サックスの名手、スコット・ハミルトンをフィーチャリングしてピアノの名手エディ・ヒギンスがゴージャスでくつろぎに満ちた最上のジャズ・アルバムを完成。50年代にタイム・スリップしたようなジャズ・エイジの雰囲気がとても新鮮。ジャズの快楽に溢れたジャズ芸術の傑作。」とある。2001年録音。
いや、単に画像を合成しただけです。
Friday, November 19, 2010
ようやくiPhone 4へ
ようやく iPhone 3G から iPhone 4 へ機種変更した。
3Gを買った際の2年縛りが明け、iPhone 4 の在庫も潤沢になって来たので、そろそろ良いかと変更してきた次第だ。
3GでもiOSは3.1.3のままにしておいたので、激遅にはならなかったのだが、流石に新しい機種はiOS4でもかなりスピーディーだね。
ケースはEggshellというような名の透明なケースにした。
これは3Gの時もそうだったが、黒の本体のその周囲のステンレスのシルバーがないと、デザイン的には何ともシャープさが失われて鈍く感じるからに他ならない。
3Gから4にして、iPodで聴く音に音質的な違いが感じられたので書いておくことにした。これはBlueTooth経由のaudio-technica ATH-BT02での話。(多分他のヘッドフォンでも同じだろう。)
まず最初に感じたのがiPhone 4では音量が僅かに小さくなる事。
3Gの頃は通常聴く音量を最大音量の2段下に設定していた。初めて4で聴いたとき直ぐに音量が小さいことに気づき、ボリュームをマックスまで上げたがそれでもやや小さいと思えた。
ま、それはそんなには問題ではない。問題は音質。
4の方が音質的には柔らかい。そして残響などは4の方が良く表現してくれる。
私の聴くジャンルに即して言えば、3Gの方が元気があってロックに向いていた。
4は、アコースティックなジャズに向いているし、細部での表現が良いと言える。
ソロピアノの残響やストリングスの響きは4の方がはるかに良いのにはびっくり。
試しにMahlerの交響曲を2曲ほどインストールして聴いてみたが、トゥッティでの音崩れはないものの、残念ながら超低音までもは望むべくもなかったよ。
ま、これは仕方ない、3万・4万するようなヘッドフォンではないからなぁ。
音質は一般的にやはり4に軍配が上がるだろうね。
ちなみに私の場合エンコーディングは基本AACの256。
3Gを買った際の2年縛りが明け、iPhone 4 の在庫も潤沢になって来たので、そろそろ良いかと変更してきた次第だ。
3GでもiOSは3.1.3のままにしておいたので、激遅にはならなかったのだが、流石に新しい機種はiOS4でもかなりスピーディーだね。
ケースはEggshellというような名の透明なケースにした。
これは3Gの時もそうだったが、黒の本体のその周囲のステンレスのシルバーがないと、デザイン的には何ともシャープさが失われて鈍く感じるからに他ならない。
3Gから4にして、iPodで聴く音に音質的な違いが感じられたので書いておくことにした。これはBlueTooth経由のaudio-technica ATH-BT02での話。(多分他のヘッドフォンでも同じだろう。)
まず最初に感じたのがiPhone 4では音量が僅かに小さくなる事。
3Gの頃は通常聴く音量を最大音量の2段下に設定していた。初めて4で聴いたとき直ぐに音量が小さいことに気づき、ボリュームをマックスまで上げたがそれでもやや小さいと思えた。
ま、それはそんなには問題ではない。問題は音質。
4の方が音質的には柔らかい。そして残響などは4の方が良く表現してくれる。
私の聴くジャンルに即して言えば、3Gの方が元気があってロックに向いていた。
4は、アコースティックなジャズに向いているし、細部での表現が良いと言える。
ソロピアノの残響やストリングスの響きは4の方がはるかに良いのにはびっくり。
試しにMahlerの交響曲を2曲ほどインストールして聴いてみたが、トゥッティでの音崩れはないものの、残念ながら超低音までもは望むべくもなかったよ。
ま、これは仕方ない、3万・4万するようなヘッドフォンではないからなぁ。
音質は一般的にやはり4に軍配が上がるだろうね。
ちなみに私の場合エンコーディングは基本AACの256。
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