Twitterで「あなたの夏うたって何ですか?」という問いかけがあったので、Tracey Thornの「遠い渚」だと答えた。
確かに1982年だか83年辺りにLPを買って以来、決まって夏に聴いている。
まだ独身の頃、茹だるような暑さの中、独り上半身は裸で朦朧としながら、部屋の中で寝転がってこのLPを聴いていたような記憶だ。
確かにこの音楽は夏の音楽なのだが、日本の夏ではない。日差しががんがんと射して来るような夏なのではないのだ。
言ってみれば薄曇りのような夏日で、気温だけがやたら高く、気怠いという言葉がぴったりと来る夏のイメージなのだった。
そして気怠い暑さの中、Traceyの音楽を聴く時、さらに気怠るさは増幅されるのであった。
さて独身貴族を謳歌していたこの当時、私の向かっていた音楽の方角はジャズやロックではなく、真直ぐにクラシックであり、取分けMaherとBruknerばかりに向いていた。
その私が何故このレコードをチョイスしたのだろうか?
何のことはない、「遠い渚」というタイトルと、ジャケットの可愛いイラストに惹かれただけなのであった。所謂ジャケ買いという奴。
この当時「ネオアコースティック」などというカテゴリーは聞いたこともなく、今頃になって「ネオアコの名盤」などという評価を聞く。
そんなもんかと思いながらも、知らずに買って聴いていたレコードが、後に名盤だと評されるのは嬉しいもんだ。
さて今回この「遠い渚」はLPしか持っていなかったので、CDを探し出して購入してみた。
iPhoneには一応Vinyl Ripしたものがあるのだが、LPにしても3,000枚も並んでいると簡単には見つけられないので、高音質で再Ripしようと思い立ちCDを探した次第。
何と、CDのタイトルは「遠い渚」ではなく、「ア・ディスタント・ショア」になってしまい、淡いピンクだったジャケットの地色は、CDの表紙になって真っ白になってしまっていた。
オリジナルは尊重して貰いたいもんだがねぇ。
Small Town Girl - Tracey Thorn
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