Les Paul氏死去の話を聞いたのは、お盆入り間もなくの8月14日、某巨大掲示板のレスポール関連のスレだった。
日本の新聞に載ったのは翌日だったはずだ。
実は私はエレクトリックギターとしてのLes Paulは好きだったが、ギタリストとしてのLes Paul氏の音楽を未だかつて聴いた事はない。
Lester William Polsfuss、通称Les Paul。ギブソン初のソリッドギターLes Paulの生みの親。おそらく彼と、Eric Claptonが居なかったとしたらロックのサウンドは今とは違っていたものになっていたのかもしれない。
なぜ私がギターとしてのLes Paulが好きだったのか? それは1にも2にも、Bluesbreakers時代のEric ClaptonがLes Paulを使っていたという理由の他には何もない。ここでClaptonはLes Paulに搭載されていたPAFと、Marshall 1962との組み合わせでロックサウンドの原型を作り出したのだ。
CreamからBluesbreakersへと逆にEric Claptonを聴いていった二十歳そこそこの私は、若きClaptonのブルースに取り組む姿勢、サウンドにすっかり魅入られてしまったという訳であった。
その当時(といっても70年代初めの話だが)、日本のプロでGibsonのLes Paulを使っているミュージシャンはいなかった。せいぜいGRECOの別注でGibsonのPUを装着したものが関の山といったところで、本物のLes Paulは雑誌やレコード・ジャケットの写真でしかお目にかかれなかった代物だった。
その写真を基に製造されてしまったのが、GRECOのEG-360。[写真右]
本物を知らない我々は、こんなのを使って悦に入っていたのだ。アーチドトップの曲面が違う、内部は空洞、ボルトオンネック、そしてあっと驚くハンバッカーもどきのシングルコイルPU。
今ではとっくにレアアイテムなんだろうが音は出る。すっかり磁力が落ちて低域が出なくなったPUは交換、ギア比が12:1でとっても使いにくかったペグも交換。これでVibro Champが復活してくれれば、昔懐かしいサウンドが出せるんだろうか。
今でこそ、GibsonのLes Paulは流通的にも、価格的にも直ぐに手に入るものになってしまった。昔、若い頃にLes Paulが買えなくて、ようやくいい歳になってLes Paulを手に入れた親爺は沢山いるのでしょうね。私もその一人な訳だが・・・
さて、Les Paul氏の冥福を祈って合掌。
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